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ダイヤモンド「同一性の確認とは」

外出先から帰ると家が荒らされている。こそ泥に入られたらしい!?
宝石箱を開けると、ない! 大切にしていた祖母から譲られたダイアモンドの裸石が!

ビックリ憤慨して警察に通報したところ、迅速な捜査により犯人とおぼしき人物の身柄が速やかに確保された。押収した証拠品の中にはダイアモンドもあるという。まずは一安心。

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さてこんな場合、盗まれた石と犯人の持っていたダイアモンドが同じものかを確認する必要がある。その作業を「同一性の確認」という。

見た目はそっくりに見えるダイアモンドだが、実際に拡大して見ると二つと同じものがない事が分かる。欠けや割れなど、肉眼では見えなくとも顕微鏡で拡大すると実に様々な特徴を、それぞれのダイアモンドがもっている。 これらの特徴を紙に書いて事前に記録しておけば、後日記録と石を見比べることで同一性の確認を行うことが出来る。紙に記録する作業はプロッティング(Plotting)と云う。

正確で分かりやすいプロッティングを行うには相応の訓練が必要だ。

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日本のダイアモンド・グレーディング・レポート(属に云うダイアモンドの鑑定書)には一般に、石の写真が貼られている。これはこれで悪くない。しかし、同一性の確認と云う意味では多くの場合役に立たない。何故ならば、石は立体であるから、例え視野深度を調整しても石の内側にある小さな特徴が写らないからだ。したがってグレーディングレポートには、プロットも印刷することが望ましいと云うことになる。

プロット以外の同一性の確認手段を提供する会社に、ジェムプリントというサービスがある。私はデータの信頼性を知らない。が、原理は次のようなものだ。

・石にレーザー光線を当て、その像をスクリーンに投影する。
(石の特徴は投影像に反映される)

・投影像をコンピューターでスキャンする。

・データベースに登録し、後日の同一性確認を容易にしている。
 
[宝石学の世界]--Vol.73-20010417より抜粋
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