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サーバの内部エラー

 

サーバの内部エラー
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手軽に宝飾品・ジュエリーを接写する小技

宝飾品の写真を活用する機会は多くの方がお持ちと思う。例えばホームページへの掲載、制作したジュエリーの記録作り、あるいは商品カタログへの掲載用等。専門家に依頼すれば綺麗に撮れるけれど、ほんの数カットの写真が欲しい場合には費用対効果の面から頼みにくい。そんな時には自社内で撮影をする事になるだろうが、どうも綺麗に撮影できない。今回は、そんな方向けに宝飾品を接写する小技を紹介したい。

ジュエリー撮影に際しての検討課題

撮影のプロフェッショナルではない者がジュエリーを撮影する際に直面する問題としては、地金表面への光源等の映り込み、接写であるために生じやすい手ぶれ、不要な影の出現などを挙げることができる。またファインダー越しには綺麗に写っていたのに、現像をしたらピントが正しい場所に合っていなかったという事もある。以下、これらの問題を一般的なジュエラーが特別な器材を揃えることなく解決する方法を考えたい。

地金の表面への映り込み対策

リングの肩で照明が反射し、その部分が中石よりも目立ってしまう。あるいは不要な影によって立体感が損なわれる。このような問題点の克服にはジュエリーの紙包み撮りをお薦めしたい。カメラと照明、それに三脚を除けば必要なものはA3のコピー用紙が1枚だけという手軽な方法だ。

紙包み撮りの良いところは必要な器具の少なさに留まらない。準備作業も至ってシンプルである。A3用紙の端と端をセロテープで留めて筒状にするだけだから、1分とはかからない。用紙を縦長に置いた場合には上辺と底辺で留める。

まず被写体を机上(※)に置く。A3用紙で作った筒は、円の真ん中に被写体が位置するようにして置き、上方から写す。この際、カメラは三脚にしっかりと留める事がポイントだ。手で保持して撮影すると、まず間違いなく手ぶれを起こす。

照明は筒近くの側面から白熱電球を当てる。室内灯など他の照明は必要ない。

写真A1は“紙包み撮り”したもの。A2は紙で包まずに、被写体の右手上方からA1に用いたのと同じ100Wの電球を直接照らして撮影したもの。

両者の違いは歴然としている。A2で生じた強い影は複数の照明を用意し両側から同じように照らすことで緩和できるだろうが、直接照明である事によって生じた硬質な反射が時計の持つ柔らかな曲面を正しく伝えていない。

一方A1の場合には、光が筒状の白色紙を透過し、あるいは用紙表面で反射した後に被写体を全方向から照らすことで程良い陰影を作り上げ、適切に立体感を写している。

(※)机上:実際にはパッドや布、紙など、背景物を机上に置き、その上に被写体を置くこととなろう。色の自動補正機能が付いたデジタルカメラの場合には、背景色が違えば被写体の色目も変化して写るから、背景を幾色か替えて複数枚撮影する事をお薦めする。

写真左が紙包み撮りをしたもの。コピー用紙を透過した柔らかな拡散照明が筒の内部で反射をして、全方向から被写体に光を当てている。

写真右は普通の上から照明を当てて撮影。

照明

照明は筒の近くから当てる。距離や高さはファインダーをのぞきながら調整すると良いだろう。クリップ型のライトを用いれば筒近くの棚やイスの背などに留めることができる。今回は株式会社ノア社製のクリップライト(型番NH−3B。1,155円)に同社製のシェード(型番NH−3W。609円)をはめて用いた(写真B)。

使用する電球を選択する際にはジュエリーディスプレイの基本を思い出したい。つまりプラチナに留めたダイアモンド ジュエリーならば白味の強い(赤色系の波長を抑え、青色系の波長にリッチ)電球を用いる。「デイライト」あるいは「昼光色」と記載のある電球がこれに当たる。ルビーをイエローゴールドに留めた指輪を写すならば多少赤みの強い電球の方が向いている。今回の撮影では被写体がホワイトメタルであるから「昼光色」(東芝ライテック社製のTOKI・100W)を用いた。種々の製品を撮影する際には昼光色系と赤色リッチ系の電球をそれぞれ用意して使い分けると良いだろう。

手ぶれ対策

いわずもがなではあるいが、ジュエリーのように小さな対象物を接写する際には、僅かな手ぶれでも致命的な打撃となる。故に、撮影には三脚を用いたい。これで手ぶれの危険性は大幅に減る。

ただし、それだけでは万全な態勢とはいえない。三脚が小型の場合に特に当てはまるが、指でシャッターを押す際カメラに余分な力が掛かる事で手ぶれが生じる事があるからだ。これに備えるために、リモートシャッターが付属されている場合には必ず用いる事を習慣としたい。無い場合にはセルフタイマーを利用すると同様の効果を得ることができる。

PCモニタで確認後にシャッターを押す

ファインダー越しには綺麗に映っていたのに、現像をしたら今ひとつの出来映えという事がある。これをデジタルカメラに当てはめると、カメラの液晶画面では綺麗に見えた画像がパソコン上で見ると不満足だという事になる。デジタルカメラの場合には、あらかじめパソコンとカメラをつなぎ、パソコン上での見栄えを確認してからシャッターを押す事で無駄な撮影を避け、時間を節約することができる。

パソコンとカメラはAVケーブルを用いてつなぐことができる。ただし、パソコンにAVケーブル用の差し込み口がなければならない。また一部のデジタルカメラにはパソコンとつなぐ機能が無い。

ビデオカメラのほとんどは、DVケーブルを用いてパソコンとつなぐことができる。

今回の撮影には、DVケーブル(IEEE1394。i.Link)に対応しているパナソニックのビデオカメラNV−GS250を利用した。静止画の画素数は310万。この解像度はポスターなどの印刷物に大写しで用いる製品写真用としては十分ではないものの、小さく用いる写真やパソコン上で用いる写真を撮るには十分である。

以下の説明は、NV−GS250とDVケーブル用の差し込み口があるパソコンをつなぐ為のものだけれど、他のビデオカメラにも応用が利くものと考える。

◆カメラとPCをつなぐ

  1. カセットを外す(カセットを入れたままでは機能しない)。
  2. SDカードのみをセット。
  3. DVケーブル(※1)でカメラとPCをつなぐ
  4. カメラとPCの電源を入れる。
  5. 静止画の撮影モードにする。
  6. パソコンでMotionDV STUDIO LE(※2)を起動する。
  7. 起動した同ソフトの左側を縦に並ぶメニュー[TOOL BOX]の上から2番目、[入力]にカーソルをもっていく。
  8. (7)の動作をすると[入力]ボタンの右側に選択肢が現れるので、[DV機器入力]をクリックする(写真上)。
  9. 写真Cの右下、[インデックス]の下にある右向きの矢印を押すとカメラが写しているものがPCモニタ上に表示される。

(※1)DVケーブル:差し込み口の形状には2種類(4ピンと6ピン)あるので購入の際には注意が必要。

(※2)MotionDV STUDIO LE:NV−GS250に付属のソフトウェア。このソフトでなければ機能しない訳ではない。

この状態で照明の距離や高さを調整し、ピントを確認してからシャッターを押せば、撮影後の写真をPCモニタ上で見てビックリという事がなくなり時間の節約になるだろう。

尚、被写体が小さすぎて背景にピントが合ってしまう場合には、オートフォーカス機能からマニュアルに切り替えてピントを手作業で合わせる必要がある。

他の小技など

鏡やガラス板を利用する方法もある。

鏡の上に指輪を少し傾くように留めて撮影すると、指輪の上面は直接、正面は鏡への反射像として一枚の写真に収めることができる(写真右)接着剤としてはソフトワックスやグルーガン(熱で融かした樹脂系の無色接着剤)を用いると良い。

ガラス板を利用すると、画像加工ソフトを用いなくとも被写体の背景に特殊な効果を得ることができる。まず、本などを机の上に重ねて、50cm程度の2つの同じ高さの山を作る。次いでガラス板を山の上に渡しかけるように置く。これでガラス板は、机の上50cmの高さに横たわった状態となる。被写体をガラスの上に置いて真上から撮影すると、背景にはピントが合わないからボンヤリとした状態となり、被写体だけがクッキリと目立つこととなる。この際、机の上にヒダが付くように布を置くと、ヒダの付け方や布の色によって様々な効果を背景に得ることができる。こちらにある裸石写真がこの方法で撮影したものだ。この写真では本棚のガラス扉を外して利用した。

後書

無論私は撮影のプロフェッショナルではないけれど、GIA JAPAN在職中は資料作りのため、その後は趣味の結晶標本撮影と、顕微鏡写真や小物の撮影に10年以上の経験を積むに至った。そのような事を知ってか知らずか、取引先からはジュエリーの撮影に関する質問をたびたび受ける。その種の撮影に関する知識にニーズがあるのだろう。拠って今回のテーマでの執筆に至った次第である。未だに大した写真を撮ることができない身ではあるけれど、多少のヒントなりとも提供できたので有れば幸いだ。

有限会社フクモト・ロジスティック・システム
福本 修

Posted: 2006/09/20


本稿はジェモロジスト ニュース(発行GIA JAPAN)に出稿した弊社原稿を一部編集の上転載した。


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