キンバリー・プロセスとは非合法なダイアモンド取引を世界から一掃することを目的としており、ダイアモンド原石が国境を越える際には、当該原石が紛争とは関わりのない地域から採掘された石である事を政府が認定するキンバリー・プロセス証明書を添え、不正に開封できない容器を使用する事が定められている。また輸出はキンバリー・プロセス加盟国にだけ許可される。研磨石及びダイヤモンドを用いたジュエリーの場合でも、自主規制として輸出に際しては紛争ダイアモンドでは無いことを記した宣言文をインボイスに記載する事とされた。
このような努力の結果、当初ダイアモンド原石の全流通量中4%程と推定されたコンフリクト・ダイアモンドは、現在では1%以下であるとされる。
ブラッド・ダイヤモンドという言葉に象徴されるようにダイアモンドは“ブラッド”(血)、即ち不幸をもたらすのか?一部に於いて、残念ながらこれは事実だろう。しかし一方で、ダイアモンドが多くのアフリカの人々に幸せをもたらしているのも事実である。例えばボツワナでは国内総生産の3割以上をダイアモンド稼ぎ出しておりその収益によって13歳までの子供達全員が無料で学校に通えるようになった。またアフリカ諸国には毎年1兆円ほどの外貨をもたらし、500万人以上が適切な医療を受けられるようになったのもダイアモンドの恩恵である。
キンバリープロセス加盟国リスト(2006年現在)
アンゴラ
アルメニア
オーストラリア
オーストリア
ベラルーシ
ベルギー
ボツワナ
ブラジル(現在ダイヤモンド原石の輸出入を停止中)
ブルガリア
カナダ
中央アフリカ共和国
中華人民共和国
コンゴ民主共和国
クロアチア
キプロス
チェコ共和国
デンマーク
エストニア
フィンランド
フランス
ドイツ
ガーナ
ギリシャ
ギニア
ガイアナ
ハンガリー
インド
インドネシア
アイルランド
イスラエル
イタリア
コートジボワール(現在ダイヤモンド原石の輸出入を停止中)
日本
韓国
ラオス人民民主共和国
ラトビア
レバノン
レソト
リトアニア
ルクセンブルグ
マレーシア
マルタ
モーリシャス
ナミビア
オランダ
ノルウェー
ポーランド
ポルトガル
ルーマニア
ロシア連邦
シエラレオネ
シンガポール
スロバキア
スロベニア
南アフリカ
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
タンザニア
タイ
トーゴ
英国
ウクライナ
アラブ首長国連邦
アメリカ合衆国
ベネズエラ
ベトナム
ジンバブエ
尚、紛争ダイアモンドについてはワールド・ダイヤモンド・カウンシルの運営するウェブサイト、ザ・ダイヤモンドファクツに詳しく、本稿でも参考にした。