高い温度と圧力を同時に加えて宝石の外観を向上させる処理を“
高温高圧処理”といいます。英語の頭文字をとって
HPHT(エイチピーエイチティ)と呼ばれることもあります。カラード ストーンに高温と高圧だけを用いる処理は一般的ではない(高温高圧に化学物質を併称する処理はある)為、単にHPHT、あるいは高温高圧処理といった場合には、通常はダイアモンドに対する当該処理を指します。
ダイヤモンドに対する高温高圧処理としては、1999年3月にジェネラルエレクトリック社(GE)がラザール キャプラン インターナショナルと組んで発表したGE POLと呼んだものがジュエリー業界に衝撃を与えました。茶色目の強いタイプIIaダイアモンドに高温高圧処理を施して無色、あるいはほぼ無色のダイアモンドへと色を改変する処理であり、当初は検知不能されました(その後の研究により現在では検知可能)。
一時はMonarch(モナーク)、次いで現在ではBellataire(ベラティア)という商品名で、ペガサス オーバーシーズ社(Pegasus Overseas Ltd.)が販売しています。
ダイヤモンドに対する高温高圧処理はその後次々と登場し、ダイアモンドを様々な色(ピンク、レッドなど)に変化させる為にも用いられています。
尚、これらの処理は現在では全て検知、鑑別可能です。