□□□□□□□□□□★□
■宝石学の世界□□★□□
□□□□□□□□□□□□………………………………………………Vol.301-20070619
ご購読ありがとうございます。
メールの転送をご利用の皆様:アドレス変更で転送先が存在しない場合など、
転送元がエラーアドレスとして判断され、送信が出来なくなることがありますので
ご注意下さい。
▼ INDEX ………………………………………………………………………………………
1. ジュエリーニュース - 宝飾用珊瑚の輸入規制撤回 - ワシントン条約
2. ジュエリーニュース - ロージーブルー、合成ダイアモンドの販売を否定
3. ジュエリーニュース - アバー社名をハリーウィンストンに変更へ
4. ジュエリーニュース - ニューヨークでアンティーク ジュエリーの見本市
5. “ジュエリー”を主題とする2007 伊丹国際クラフト展作品受付中
……………………………………………………………………………………………………
====PR:================================================================
●ジュエリー言語学 ジュエリー文化への言語からのアプローチ
・編著者 桃沢敏幸
☆使いどころ: 宝飾界屈指の博学で知られる桃沢敏幸の、凄まじいばかりの薀蓄の
書。写真や図版が1点もないのに、この本をそれより何倍も面白くしているのは、著
者の途方もない知識量と冴えわたる書き技の巧さだ。項目ごとにその言葉の起源、履
歴、伝聞、最新情報を限りなく広域に語る本書は、あらゆる業態の宝飾人に[知]の楽
しみを覚醒させ、そこから無数の知恵・啓発のヒントを導き出させる。どこから読ん
でも抜群に面白く、読み始めたら止まらない――痛快無比にして空前絶後の本である
★読者限定著者サイン本特典
柏書店のオンラインブックストアからの購入の際、通信事項の欄に
宝石学の世界で知りました。著者サイン本希望。
と記入すると著者である桃沢敏幸氏のサイン本が届く。
http://www.gem-land.com/kashiwa-books/
==========================================================================
☆∽∝∽∽★∝∽∽∝∽∝☆∝∽∽∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆
1. ジュエリーニュース - 宝飾用珊瑚の輸入規制撤回 - ワシントン条約 - ∽∽∽∽
オランダ・ハーグで開催されたワシントン条約の締結国による13日の委員会で、ア
メリカからの提案を受けて一度は決定されたモモイロサンゴやアカサンゴの輸出規制
は15日の総会で再度協議された結果、却下された。
宝飾用サンゴは日本国内では僅かにしか採集されていないだけにサンゴ製品の関係者
への影響は必至と思われた13日の決定だったが、土壇場で日本など反対国の意見が
通った。
☆∽∝∽∽★∝∽∽∝∽∝☆∝∽∽∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆
2. ジュエリーニュース - ロージーブルー、合成ダイアモンドの販売を否定 -∽∽∝
研磨済みダイアモンドの卸売り企業として世界最大手のひとつ、ロージーブルーの
CEOディリップ メータ氏はラパポートに対して、同社がダイアモンドのパーセル
※に合成ダイアモンドを混ぜて販売をしているという噂を完全に否定した。
このような噂はこの2,3年あるが、最近2ヶ月ほどはインドを発信源として良く耳
に入っていた。メータ氏がラパポートに語ったところによると、当初噂は(事実と異
なるだけに)気にしていなかったが、絶えることなく悪評が流れ続けるため取材に応
じて公に否定する事にしたという。
ロージーブルーはデビアスのサイトホルダーにしてリオティント(ダイアヴィック
※2やアーガイルを経営)の上顧客でもある研磨済みダイアモンドの世界的な企業。
さて事実はどうか?私は、ロージーブルーが意図的に合成ダイアモンドを天然ダイア
モンドと偽って売る事はあり得ないと考える。
ロージーブルーのような大手が合成ダイアモンドを密かに販売していると噂が立てば
小売店に並んでいるダイアモンドにも偽物が混ざっているかもしれないと、ダイアモ
ンドに対する消費者の信頼を毀損する事にもつながりかねない。ダイアモンドの世界
的な市況がビジネスに直結するという同社の立場で、ダイアモンド マーケットの縮
小というリスクを冒すにしては、合成ダイアモンドの混入によって得られる利益は少
なすぎるだろう。また何より既に確立されているビッグ ビジネスの存続を決定的に
脅かすという大きなリスクと比較しても不正によって得られる利益は矮小に過ぎる。
このような事からロージーブルーが噂にあるような不正を行う合理的な理由は見あた
らない。
ただ、気になる点が皆無ではない。合成ダイアモンドの意図せぬ混入である。
鉱山会社から直接原石を購入し、それらを管理された自社のカッティング工場でだけ
研磨していれば合成ダイアモンドが混入する可能性はほぼ無いだろう。しかし、仕入
れは原石だけではなく、研磨済みダイアモンドも含まれているのではないか。とする
ならば、意図せぬ混入の確立も皆無ではあるまい。
ロージーブルーの日本法人を訪ねたことがある。まだ同社が自社ビルを建てる以前、
御徒町のビルのフロアで営業をしていた時のことだ。同社に関係するインド人の友人
に会いに行ったのだが、会社内を隅々案内してくれた。机には直径50cm程度で積
み重なっているダイアモンド裸石の山がいくつもあり、数千石という数のダイヤモン
ドにビックリしたが、別の部屋にはX線を放射する小型の装置があった。CZ※3
(キュービック ジルコニア)の混入に備えて検査するためだという(全てのダイア
モンドはX線に対して光り、CZとは反応が違う)。全て原石で仕入れて社内でカッ
トをしていればCZの混入を恐れる必要はないだろうから、同様のことは合成ダイア
モンドについてもいえよう。
日本の宝石店に並んでいるダイアモンド ジュエリーに合成石が使われている可能性
を心配する方も居られるかもしれないから記す。国内のしっかりとしたダイアモンド
グレーディング機関(宝石鑑別機関)に持ち込まれたダイアモンドは、全て天然ダイ
アモンドであることを鑑別した後にグレーディング作業を行っている。従って、例え
ば婚約指輪として販売されているダイアモンドが合成石であるということは、事実上
あり得ないからご安心頂きたい。
ただし、ジュエリーのプロフェッショナルに於いては大手グレーディング機関でソー
ティング※4を経たものであるか否かを問わず、必ず自身の目でルーペ等で拡大検査
をするという基本を忘れないでいたい。石を見る技能無くソーティング結果に頼って
のビジネス スタイルは、顧客にとって大切な宝石の品質を他者に依存して述べるこ
とであり、褒められることではない。ましてやメレーの場合の備えもある。全てを拡
大検査できない場合でもサンプリングをしての検査は必須だろう。
※:パーセル:parcel
包みの意味だが、ジュエリー業界では複数のダイアモンドをひとまとめにした単位と
して用いる。
※2:ダイアヴィック
http://www.gem-land.com/news/canadian_diamond.html
※3:CZ
http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/gem_encyclopedia/ka/cubic_zirconia.html
※4:ソーティング
http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/gem_encyclopedia/sa/sorting.html
☆∽∝∽∽★∝∽∽∝∽∝☆∝∽∽∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆
3. ジュエリーニュース - アバー社名をハリーウィンストンに変更へ -∝∽∝∽∝∽
ナショナル ジュエラーの電子版によると、ハリーウィンストンのオーナーである
アバー ダイヤモンド社は社名をハリーウィンストンに変更する予定という。
ハリーウィンストンは1932年創業の老舗ジュエラーで、ハイエンドのジュエリー
で名声を確立している。
カナダのダイアモンド鉱山ダイアヴィックに40%権益を持つアバー ダイヤモンド
社は2004年にハリーウィンストンの株式の51%株式を約96億円で取得し、次
いで2006年9月に出資比率を100%へと引き上げ完全な傘下に置いている。
アバー ダイヤモンド社の2007年度第一四半期の売上げは約170億円。
▼関連:アバー、ハリーウィンストンの筆頭株主に
http://www.gem-land.com/news/04apr_aber_bought_winston.shtml
☆∽∝∽∽★∝∽∽∝∽∝☆∝∽∽∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆
4. ジュエリーニュース - ニューヨークでアンティーク ジュエリーの見本市 -∝∽
マイアミやラスベガスでアンティーク ジュエリーや時計の見本市を開催している
DMGワールド メディア社(DMG)は、ニューヨークで新たにアンティーク ジュ
エリーと時計の見本市を開催する。
名称は「ニューヨーク アンティーク ジュエリー アンド ウォッチ ショー」
で会期は7月28日から31日までの4日間とJAニューヨークの1日前に設定し、
入場者数の向上を狙っている。
▼DMG
http://www.dmgantiqueshows.com/
☆∽∝∽∽★∝∽∽∝∽∝☆∝∽∽∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆
5. “ジュエリー”を主題とする2007 伊丹国際クラフト展作品受付中 -∝∽∽∝∽∝
今回で6回目を迎える“ジュエリー”を主題とする2007 伊丹国際クラフト展が作品
の応募を受け付けている。
締切は8月14日(郵送の場合)だが、8月3日までに登録料を支払うなどの登録
をする必要がある。
▼子細:ジュエリーニュースアップデートから当該記事をクリック
http://www.gem-land.com
====★宝飾業界関係者様★=========☆発行人の会社が運営しています☆===========
インターネット上の業者証、もうご取得ですか?
▼ 無料の業者証『ジュエリートレード・ロックID』のご申請はこちらです。
http://jtls.net/about_id.html
▲ 複数のジュエリー業界B2Bサイトに共通のID&パスワードでアクセス可能
空枠、ジュエリーケース、地金製品、シェルカメオなどの仕入れが出来ます。
============================================================================
☆∽∝∽∽★∝∽∽∝∽∝☆∝∽∽∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆
※敬称を省略しました。
宝石鉱物小事典は国立国会図書館データベース(Dnavi)に収録されています。
宝石に関するご質問や弊紙に対するご希望などをお寄せ下さい。
※画像をお送り頂いても宝石鑑別はできませんのでご遠慮下さい。
■まぐまぐID:0000017866 (一部の読者にはまぐまぐ様を経由せずに配信)
■受信アドレスの変更:旧アドレスは[購読解除]ページよりキャンセルをdして頂き、
新アドレスをホームページより新規申込みとしてご入力下さい。
■購読解除 <http://www.gem-land.com/melmaga/>
■発行人:福本 修
■(C)Copyright 2007 by Osamu FUKUMOTO. All Rights Reserved.
■記事を許可なく転載することを禁じます。
<< 前号のジュエリーのメールマガジン宝石学の世界(バックナンバー)
|