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■宝石学の世界□□★□□
□□□□□□□□□□□□………………………………………………Vol.323-20080219

ご購読ありがとうございます。

▼ INDEX ………………………………………………………………………………………

1. 松原レポート -オンラインで公開開始
2. Reders Exchange - 2ct と 2cts : 正しい表記はどちら?
3. 数百円から億まで! 宝石の値段はどう決まる?
4. 宝石学Q&A - 海外と日本のジュエリー製作技術について
5. 宝石学Q&A - 合成宝石の見分け方について

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1. 松原レポート -オンラインで公開開始 ∝∽∽∝∝∽∝∽∽∽∝∽∝∝∽∝∽∽∽

「音」について考える

Tokyo Jewelers発行人 松原 信

 音という“素材”を用いて芸術表現するのが、音楽というジャンルである。人類史
と共にある音楽は、近世ヨーロッパに於いて「芸術」としての極まりを見た、という
史観・価値観が音楽史家の間では根強い。 バッハやモーツァルトが生きた時代であ
る。昨年生誕250年祭を祝ったモーツァルト(ヴォルフガング・アマデウス、1756年生
れ)の青年・壮年期は、時にハプスブルグ王室全盛期のただ中、その20代皇帝ヨーゼ
フ2世(マリア・テレジア女帝の長男にしてマリー・アントワネットの兄)の御世だっ
た。

 同王室お抱えの由緒正しき宮廷楽師サリエリよりも、同皇帝はザルツブルグの田舎
町から来たあまり品の良くない青年モーツァルトを寵愛したのは映画「アマデウス」
にも観る通り、彼の類稀なる音楽的才能ゆえであった。それはさておき、ヨーゼフ2
世皇帝が為政者として頭を悩ましたのは、当時ヨーロッパ広域で猛威をふるった疫病
(ペスト)の流行だった。 200年以上も昔の話だから、患者の大量発生に医療技術・病
院設備が追い付かず(同映画でもその時の病院場面が垣間見れる)、街々には収容され
ない病人が溢れ、その多くは死に絶えてそのまま放置された。街に溢れ出る死者との
共存が、健康な人々の生活の現実となった。

 「死」を日常とする人々の死生観が、モーツァルトをしてあの依頼者不明の名曲
「レクイエム」を誕生せしめたか否かは、今もって定かでない。 しかし、"死の病
床"にあった彼自身が譜面に刻んだ一つ一つの音符は、音楽家としての自らの生涯を
締め括ると同時に、同曲最終楽章(「永遠の光」)では聴く者すべてに「死をも越えて
行け!」と、高らかに歌いかけているようだ。

 「自らの死を思え」というキーワードは、当時の絵画芸術界そして宝飾界でも盛ん
に用いられた。骸骨や頭蓋骨をモチーフにした一連の「メメント・モリ」(ラテン語
で「死を思う」の意)作品が、多くの絵画やアンティークジュエリーの中に見出せる
のはそのためである。我ら東洋人には奇異・異様としか思えないスカル・モチーフ
のジュエリーの中に、逆に西洋人の「生」への大らかさ、逞しさを見る思いである。

 音の話に戻ろう。モーツァルトが師と仰いだクリスチャン・バッハやその兄セバ
スチャン・バッハ、ヨーゼフ・ハイドンたちが生きた頃、鍵盤楽器(チェンバロ、
後のピアノ)が考案され、単一音でなく複合音が奏でられるようになったその時、音
の組合せたる近代音楽芸術の基礎が確立された訳である。セバスチャン・バッハが
「音楽の父」と呼ばれるのは、その辺の事情から来ている。その"複合音"こそ楽器に
よる「和音」の起源であり「和声」の原型となったのだ。勝手に音を複合してもただ
の耳障りな不協和音にしかならないが、ある法則のもとに音を組み合わせると不思議
と見事に協和し、それが連なって美しい音色となる。 人の声(声楽)に依らない
「和声」の誕生である。

 たった8音しかない西洋音階の制約の中で、和声を限りなく連続させて心地良い旋
律にし、そこにリズムを与えたのが西洋音楽である。筆者はまさにその1点に、ジュ
エリーづくりとの共通項を見出す。―――「制約の中から生れた様式美」―――両者
の表現完成美は、実にここに尽きるからだ。発祥以来の宝飾に於ける素材の限定性、
サイズの制約は、むしろ音楽より過酷なのかも知れない。

 宝飾家がジェム素材を選択する作業は、音楽家が音を見極める行為に似て、もの作
りの起点にして仕上がりの完成美を決定付ける重要な営みだ。チョイスしたジェム素
材を石相互にまたメタルとの間で絶妙に複合させ、立体表現して行く技は、各楽器・
声楽パートを譜面上でベスト・ミキシングする技にも似て、一寸手を抜けば完成形に
確実に"穴が開く"世界だ。歌い継がれる、そして使い継がれる優れた音楽や宝飾品は
その完成美故に時を越えるのである。

後略。記事全文は以下のページに掲載 
(とうきょうジュエラーズ51号より)
http://www.kashiwa-books.co.jp/m_report.html

■本稿は、雑誌TokyoJewelersの毎号巻末頁に掲載する、発行人書き下ろし記事から
 の転載です。第50回以前の「松原レポート」をご希望の方は、同誌バックナンバー
 をご購入いただくか、同誌編集部まで問合せ下さい。

 Tokyo Jewelers編集部 

 Tel(03)3353-4506(直通) 
 matsubara@kashiwa-books.co.jp

▼オンラインでの購入
http://www.gem-land.com/kashiwa-books/


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2. Reders Exchange - 2ct と 2cts : 正しい表記はどちら? ∝∽∝∽∝∽∽∽

前号※の記事[2ct と 2cts : 正しい表記はどちら?]に対して頂いたメールを
紹介させて頂きます。

※前号  http://www.gem-land.com/melma/322.shtml

▼1件目ここから──────────────────────────────

 ct と、cts のすっきりした解説、大変勉強になりました。さすがに、カナダにも
長く滞在し、英語に堪能な福本さんならではですね。

 JJAでは、カラットが国内で制定された日をジュエリーデーとしています。このこ
と自体は、業界人の何割かはご存知です。

 JJAが年間4回、会員向けに発行する「JJAレポート」の12年前の1996年11月号に、
宝石用のカラットを明治政府が発布した官報を紹介しています。

──────────────────────────────

官報 第7916号 明治42年11月11日
農商務省令第54号
宝石ヲ「カラット」ノ名称ニ依リ訂量スルトキハ二百「ミリグラ
ム」ヲ以テ一「カラット」ト為スヘシ
明治42年11月11日  農商務大臣  男爵 大浦兼武

──────────────────────────────

 注 訂量 計量ではありませんがほぼ同意です。
   訂=はかる ただす くらべる などの意 


ちなみに、この2年前の1907年(ちょうど100年前)に、国際度量衡学会で1カラット
を0.2グラムと決めました。日本はすでにメートル法を批准していましたので、2年後
にこれを発布したという次第。

 国際的な取り決めにより、それまで国や地域によってばらばらだったカラットのば
らつきが統一され、貿易の障壁がなくなりました。それまでの古い各国のカラットを
オールドカラットといいます。実に千差万別です。

 ちょっと、ご紹介まで。

雑学屋 川崎 猛


▼2件目ここから──────────────────────────────


[宝石学の世界]--Vol.322におきまして、宝石に使用される質量単位としての
「カラット」について、2点ほど誤りがあるのではないかと思います。

1点目は
「宝石の重量単位である1キャラット」
と記載されておりますが、カラット(日本の「計量法」においてはカラットが正しい
記載法です。)は質量の単位であって、重量の単位ではありません。重量は質量に重
力加速度を掛けた力ですから、例えば人工衛星や月に行くと同じ宝石でも重量が変わ
ります。カラットはどこに行っても変化することのない質量の単位です。

2点目の方が重要なのですが、、、
メルマガの記事は、「単位」と、「英文中の表記法」を混同されているのではないか
と思います。「ct」はカラットの単位を表す独立した記号ですので、「m」(メート
ル)や「kg」(キログラム)同様に省略の意味のピリオドや複数形を表すsが付くこ
とはありません。

英語の文章においてcaratを略記する表記法については記事にある通りです。しかし、
単位である「ct」については、「2kg」と同様に「2ct」が正しい表記です。なお、
カラットについては「car」という単位表記も存在しますが、エネルギーの単位であ
る「cal」(カロリー)と紛らわしい為か、あまり用いられることはありません。

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お二方、ご連絡ありがとうございました。このようなご反応をいただけますと、
記事をしっかりと読んで下さっている読者がおられると確認でき、励みになります。
                                福本


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3. 数百円から億まで! 宝石の値段はどう決まる? ∽∽∝∽∽∽∝∽∽∽∽∝∽∽

「エキサイトニュース」の雑学コラム「Bitコネタ」からの取材に応えました。
表題につき、以下のページで掲載されています。

http://www.excite.co.jp/News/bit/00091202317505.html


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4.宝石学Q&A - 海外と日本のジュエリー製作技術について - ∽∽∝∽∽∽∝∽∝


Q:匿名希望

ふと思ったのですが、例えば日本とアメリカにおいて宝飾品制作技術の違い・差は
あるのでしょうか? またどの国の技術が1番優れているのでしょう? 


A:

宝飾品制作技術は多岐に渡ります。また職人さんごとの技術レベルにも大きな差が
ありますから、一概には比較が難しいと考えます。国ごとの職人さんの技術を数値
で平均化することもできませんし。

日本では「貴金属装身具製作の技能試験」※というものがあります。もしこの試験
内容が各国共通のものであれば、職人における受験率を勘案し、総職人数と各等級
取得者の数を比較することで国ごとのレベルの目安になるかもしれませんが、あい
にくこの種の技能試験は国ごとに独自に行われているので比較はできません。

お役に立たず恐縮です。

ご意見お持ちの方、是非お寄せ下さい。
http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/otayori.html

※貴金属装身具製作の技能試験:
http://www.gem-land.com/melma/158.txt


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5.宝石学Q&A - 合成宝石の見分け方について ∽∽∝∽∽∽∝∽∝∽∽∽∝∽∝∽

Q: ファイブスター さん

合成宝石が市場には当たり前のように出回っておりますが、アメジスト、トパーズ、
トルマリン、シトリンでは合成宝石と本物の鑑別はどのように行うのでしょうか?

また、合成宝石の鑑別方法で参考になる書籍はありますか?


A:

商業ベースで生産されて流通をしている合成トパーズと合成トルマリンは
ありません。

合成アメシストと合成シトリンは、ルーペなどによる拡大検査で、天然石であると
いう判断ができる場合があります。

どのような特徴が観察された場合に天然石であるかを判断するためには、合成
クォーツ(アメシストやシトリン)を製造する水熱法を理解する必要があり、
あいにくメールマガジンの文章による紙面で表す事はできません。

http://www.gem-land.com/kashiwa-books/shingan.shtml
先だって上梓された上記の[貴金属と宝石買取のための真贋判定と買取査定の極意]
という本に、私が書いた合成石と天然石の見分け方に関する記述と写真も収録され
ています。

洋書ですが、以下の本は大いに参考になります。アマゾンで購入できます。

Gems Made by Man (Kurt Nassau, PhD, FGA:GIA)

専門的な内容であるにも関わらず平易な英語表現で書かれていますから、中学・
高校で英語を勉強した平均的な日本人の英語力があれば、誰でも読めると思います。

▼合成石とは(合成石の特徴を示す顕微鏡写真掲載)
http://www.gem-land.com/daio/terms/synthetic.shtml

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※敬称を省略しました。

宝石鉱物小事典は国立国会図書館データベース(Dnavi)に収録されています。

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