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■宝石学の世界□□★□□
□□□□□□□□□□□□………………………………………………Vol.328-20080401
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でお届けしています。
内容につき、ご希望があればお便りお待ちしています。
http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/otayori.html
▼ INDEX ………………………………………………………………………………………
1. 桜色の宝石
2. ジュエリー ニュース - ジェムズ&ジェモロジー2007年最優秀論文発表される
3. スリランカからの宝石便り 〜その8〜 トルマリン
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1. 桜色の宝石 ∝∽∝∽∝∽∽∽∝∽∝∽∽∽∝∽∝∽∽∽∝∽∝∽∽∽∝∽∝∽∽
私の住む鎌倉では、ちょうど桜が満開となりました。もっとも既に盛りを過ぎたり、
あるいは桜の名所、源氏山にある桜は少々小高い場所にあるためか、まだまだ蕾が
目立ったりという状態ではあります。皆さまお住まいの地域ではいかがでしょう?
さて、今回は桜色の宝石を2石、撮影してみました。宝石好きの方の中には直ぐに
ピンときた方も居られるでしょうね。「クンツァイト」と「モルガナイト」です。
クンツァイトという宝石はスポジュミンという鉱物種の中で、ピンク色をしたもの
を指します。著名なジェモロジスト、クンツ博士の名前に由来して命名されてまし
た。ティファニーで副社長まで務めた同氏は、タンザナイトの命名者としても有名
です。
蛇足になりますが、タンザナイトとはゾイサイトという鉱物種の中で、ブルーから
パープルの石を指します。ティファニーが1967年にタンザニアで発見された美しい
宝石を売り出す際、ブルー ゾイサイトでは語感がよろしくないという事でタンザ
ナイトと名付けて売り出したところ大ヒット、現在に至る訳です。宝石業界には、
私企業が付けた名称を正式な宝石名とするのは相応しくないとして、タンザナイト
の名を認めないという意見があります。それはひとつの見識ではあります。しかし
ここまで広く世界的に普及したタンザナイトという名前は、既に私企業の手を離れ
ていると考えられるのではないでしょうか。私は、タンザナイトは正式な宝石名と
して取り扱われてしかるべきと考えています。ブルーゾイサイトと聞いても知らな
いと応える消費者でもタンザナイトと聞けば思い当たるというケースは多いでしょ
う。またアメリカの業界団体ではタンザナイトの名前で12月の誕生石に指定して
いるという実情もあります。 タンザナイトはダメ、ブルーゾイサイトが正しいと
いったところで、逆に消費者が混乱しかねない状況であるといえましょう。
それはともかく、桜色の宝石です。 モルガナイトはベリルという鉱物種の中で、
ピンク色をした石を指します。同じベリルにはエメラルドやアクアマリンがありま
す。この名前はアメリカの銀行家にして宝石愛好家として知られたJ.P.モルガンに
因んだものですが、同氏の名前はJPモルガン証券、モルガン・スタンレー、JPモル
ガン信託銀行など多数の法人名に残っていますから、多くの方に馴染み深いのでは
ないでしょうか。モーガナイトというカタカナ表記も目にしますが、Morganのカタ
カナ表記はモルガンで定着していますから、モルガナイトの方が適切でしょう。
>>桜色の宝石の写真は
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2. ジュエリー ニュース - ジェムズ&ジェモロジー2007年最優秀論文発表される ∝
GIAは、発行する宝石学誌ジェムズ&ジェモロジーに2008年に発表された論文に対し
識者による投票を行い、最も価値ある論文を選んだ。ジュエリー業界で昨年関心を
集めたトピックスが良く現れている。
第一席はジョンソン博士による[充填エメラルドの耐久性試験](2007年夏号)。
第二席はシェン氏らによる[セレニティ社によるコーティングが施されたカラー
ダイアモンドの識別と耐久性](2007年春号)※。
第三席は王博士らによる[アポロ社のCVD法による次世代の合成ダイア
モンド](2007年冬号。日本語版は翻訳中)。
様々な処理石、新産地が登場する現在の宝石業界である。プロフェッショナルと
しての最新情報の保持を務める方には購読をお薦めする。
▼ジェムズ&ジェモロジーはこちらから購読申込みできる。
http://www.gem-land.com/giajpn
※[セレニティ社によるコーティングが施されたカラーダイアモンドの識別と耐久
性]に関する論文の一部はGIA JAPAN発行の季刊誌、ジェモロジスツ ニュースで
読む事ができる(2007年10月発行のVol.58)。
http://www.giajpn.gr.jp/publishing/g_news/
※2CVD
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3. スリランカからの宝石便り 〜その8〜 トルマリン∝∽∝∽∝∽∽∽∽∽∝∽∝
スリランカで産出されるトルマリンの色は、黄緑、深緑、蜂蜜のような茶色が多く
まれに青や明るい緑色も発見されますが、ルベライトと呼ばれる赤やピンク、バイカ
ラーのウオーターメロンなど人気の高い色は産出されません。
店頭でトルマリンは多様な色が販売されていますが、大半はアフリカや近隣諸国から
輸入されたもので、値段も店によってかけ離れています。
スリランカ産出のトルマリンは、その見た目の色や多色性などでジルコン、コーネル
ピン、シンハライト、アンダリュサイトに間違えられる場合があります。
紅茶の産地であるウバで産出されるトルマリンは「ウバイト・Uvite」と呼ばれてい
ます。
希少性が高いものでは、キャッツアイのように一条の光(シャトヤンシー効果)がで
るトルマリンも産出されます。
金褐色のものも産出され「ドラバイト・Dravite」と宝石学的に呼ばれますが、通常
の宝石業者はルベライト以外をトルマリンとしか呼びません。
無色のトルマリン(カラーレス)は無色のスピネルと同じように大変希少性があります
片山 新子 FGA
スリランカ宝石留学物語 http://plaza.rakuten.co.jp/gemgasuki
個人のWEB http://www.ragems.com
▼ラトゥナプラーの長閑な田園風景の中で宝石を採掘する様子の写真を掲載
▼片山さんへのお便りもこちらから送ることができます。
http://weblog.gem-land.com/?p=77
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※敬称を省略しました。
宝石鉱物小事典は国立国会図書館データベース(Dnavi)に収録されています。
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