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■宝石学の世界□□★□□ □□□□□□□□□□□□………………………………………………Vol.343-20081105
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▼ INDEX ………………………………………………………………………………………
1. ザンドライト / zandrite
2. [ジュエリーニュース]GIAのレポートを偽造した処理ダイアモンド
3. 宝石学Q&A - 大理石もオニキス? -
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1.ザンドライト / zandrite ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
変色効果(カラーチャンジ)を示す、ある種のガラスの流通名。
色には二系統ある。
1)
蛍光灯 → ブルー トパーズのようなライト ブルー
白熱灯 → アメシストのようなパープル カラー
2)
蛍光灯 → グリーン
白熱灯 → ピンク
今回写真を公開したのは(1)のタイプ。写真のルースは、ケースに
「カラーチェンジガラス」と表記されていて、ザンブライトとはガラスであることが
明瞭に分かった。しかし、ある販売者は顧客に「人造石」とのみ説明し、ガラスとい
う表現は用いていなかった。また広告には「人造石」という表記のみがあり、ガラス
という言葉がない事もある。 “石”という語感からは結晶という印象を受けるが、
ガラスは結晶ではない。またガラスと言われれば何か直ぐに分かるが、「人造石」で
は人が作ったという以外の情報を伝えることができない。 分かりやすさのために、
広告にもガラスと明記するべきだろう。その場の売上よりも、顧客の信頼確保こそが
持続可能なビジネスをもたらすからだ。
ザンブライトという名称で販売される変色効果のあるガラスも、他のガラス製の模造
石同様硬度は5から6(モース硬度)程度しかない。また結晶と違って原子同士の結
びつきが弱いから、衝撃によって、欠けたり割れたりし易い。従って、衝撃を受けや
すい指輪への加工には向かない。
加工職人はバーナーを用いる際ガラスであることを忘れず。無論、直火はいけない。
屈折率を実測したところ1.535だった。
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2. [ジュエリーニュース]GIAのレポートを偽造した処理ダイアモンド∽∽∽∽∽∽∽
グベリン ジェム ラボは、同ラボに持ち込まれたダイアモンドに付けられたGIAの
ダイアモンド グレーディング レポート(いわゆる鑑定書)が偽造されたものであっ
たと伝えた。
このダイアモンドは2cts以上あり、レポートにはカラーはD、クラリティはIF、
カット グレードはエクセレントと表記されていた。同ラボで検査したところ、この
ダイアモンドには高温高圧処理(HPHT)が施されていたが、偽造されたGIA
レポートに処理の記述はなかった。
このような偽造の例は過去にもあるという。
ジュエリー業界関係者の中には、業者が持ち込んだ裸石をレポートを頼りに購入する
こともあるだろうが、このような事例もあり、レポートと当該ルースが同一のものか
を確認する重要性は高い。
2000年の1月以降に発行されたGIAのダイアモンド グレーディング レポート
の場合にはオンラインで照会できる。以下のページから石目(石の重量)とレポート
番号を入力するとレポートの内容が表示される。
http://www.gia.edu/reportcheck/
その他のレポートでは、場合によっては発行機関への照会も必要だろう。
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3. 宝石学Q&A - 大理石もオニキス? -∽∽∽∝∝∽∝∝∝∝∝∽∝∝∝∽∽∝∝
Q: にゃお さん
大理石についてお伺いしたいのですが、あるお店で【ホワイトオニキス】という
透明感のある石がおいてありました。うっすらと入った縞模様と名前からメノウ
なのだと推測したのですが、お店の方もわからず、硬度で確かめようという話に
なり、水晶の先端でなぜてみたら傷が付きました。
とすると、硬度が7以下でアゲートではない?と疑問に思い更に仕入れ元に聞い
ていただいたら【大理石】という返答が。
大理石もホワイトオニキス(オニクス?)と言う名称でよばれているのですか?
それとも、大理石はマーブルという呼び名と認識しておりましたので、もしや、
そのマーブル状態になっている一部の石としてメノウの部分を指すなどと言った
ことがあるのでしょうか?(この場合、今回の硬度の関係はつじつまがあわないの
ですが)
A:
おっしゃる通り、マーブルは大理石の英語です。そして縞模様の入った大理石を
オニキス マーブルと呼びます。
単にオニキスというと黒色のカルセドニー(正しくはブラック カルセドニー)や
縞のあるカルセドニーを指すことが一般的なのでまぎわらしいですね。
ちなみに、大理石とはカルサイトという鉱物の集合体です。ホワイトオニキスとして
販売されていた鉱物は、白色、あるいは白色を基調とし僅かに緑色がかった縞のある
大理石と想像します。
関連:透明なカルサイト結晶の写真
関連:エメラルドの中にあるカルサイト結晶の写真
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※敬称を省略しました。
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