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[宝石学の世界]--Vol.403-20110208

▼ INDEX

1. 日本宝飾クラフト学院 - 卒業制作合同展 開催
2. 21世紀の提言 - IJT雑感 by 増渕邦治
3. 宝石学Q&A - ジュエリーを多く扱っているおすすめの図書館

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1. 日本宝飾クラフト学院 - 卒業制作合同展 開催 ∝∽∽∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∝∝

日本宝飾クラフト学院では、東京校の卒業制作展と名古屋校、大阪校、福岡校の選抜
卒業制作展を開催いたします。

当日は卒業作品の他、多数のジュエリーコンテスト入賞作品も同時に展示致します。

この機会に、ぜひご来場いただき、ジュエリー・アクセサリーを学んだ成果をご覧い
ただければ幸いです。

※2月17日(木)17:00〜オープニングにあたって簡単なお茶会を開きます。

◆会場:日本宝飾クラフト学院 東京本校 B1ギャラリー
│   〒110-0016 東京都台東区台東3-13-10
├会期:2月17日(木)〜19日(土)
└時間:11:00〜19:00(最終日16:00)

東京本校に続き、名古屋校、大阪校でも開催いたします。

◆会場:名古屋校
├会期:2月25日(金)〜26日(土)
└時間: 11:00〜19:00(最終日17:00)
※名古屋校では、卒業生2名によるオリジナルブランドの展示会も同時開催いたし
 ます。

◆会場:大阪校
├会期:3月4日(金)〜5日(土)
└時間: 11:00〜19:00(最終日17:00)
※大阪校では、シルバー雑誌の読者投票で1位になった卒業生平山さんのブランド
 「BORA」の展示や、天然石のセールも行います。

ポスタ掲載ページ >> http://www.jj-craft.com/hot/craftten.html

by 日本宝飾クラフト学院 >> http://www.jj-craft.com/


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2. 21世紀の提言 - IJT雑感 by 増渕邦治 ∝∽∽∽∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∝∝∽∽∽

26日から開催されていたIJT。今年は何年かぶりで4日間通いました。会場は昨今の
宝飾品市場の影響もあってか、やや手狭になり、その上高級雑貨と時計のパビリオン
ができたので、ますます宝飾品業界の貧困さが浮き彫りになったように思います。

しかし入場者は反対に4日間通じて、増えたのではないでしょうか。相変わらず真珠
や色石関連のブースには人だかりが多く、製品のブースにはよほど興味が無いと人だ
かりはしていなかったように感じられました。

今回の展示会でいくつか興味を引いたものがありました。ひとつは甲府のメーカーK
が「JIZAI」というブランドで、面白いジュエリーを展示していました。私はこのと
ころ自在置物に傾倒しており、その関連で何人かの方とも知り合う事ができたのです
が、流石に同じような事を考えている人はいるもので、完全に先を越された感は否め
ません。

しかしながら、仔細に商品を観察する事ができたのですが、私が考えている自在ジュ
エリーとは些か世界が違うような気がしたのは幸いでした。現在何人かの作家の方に
自在のテイスト含めたジュエリーの制作を依頼しており、それらの形が見えるように
なってくると、はっきりしてくると思います。

自在置物は昆虫や虫の超リアルな世界を金属で表現したものです。この超リアルと同
じレベルで写実という視点で見ると、千葉県に日本で初めての写実美術館ができたの
ですが、私はまだ訪れていません。最近色々な分野で、写実が見直されてきているよ
うに感じます。ジュエリーの世界も、一頃のリアリズムが影を潜めていたのですが、
もしかするとリバイバルの兆しが出てくるかも知れません。もっとも写実的なジュエ
リーの制作はそんなに簡単にはいかないので、誰でもできるというものではありませ
ん。似て非なるものはCADの発展もあり、数限りなくでてくるでしょうが、精度の高
いものは果たしてどうでしょうか。

今回製品で面白いと感じたのはKのブースでした。大手の企業だけあって、現在の
トレンドを調べ、いくつかの観点から提案型の新作を展示していましたが、いくつか
参考になるものがありました。

真珠ではやはり天然真珠でしょう。コンクはもはや貴重品ではなくなりつつあり、
今回もいくつかのブースで見る事ができました。その中でもレベルの高かったのは
御徒町のM真珠のコレクションでしょうか。タイラギやアワビ、ホタテなどの逸品が
陳列されていました。アワビはカリフォルニアとニュージーランドで産出されますが
貝の種類が些か異なります。

変わったところでは、S真珠がマベのラウンド、ゴールデンを陳列していました。
お気づきの方もいらっしゃるでしょう。マベはご存知のように半円(半径)真珠です
が、何年か前からラウンドに近いものを養殖するようになりましたが、色とテリの無
さと云う点で私はあまり評価していません。今回のゴールデンも貴重品と云う点では
見るべきものがありましたが、真珠の品質と云う点になると、首を傾げざるを得ませ
ん。

ところで先ほどのM真珠のブースでは、淡水のバロックを見る事ができました。この
バロックはテリといい、色といいかなりのものです。中国産の淡水もここまで良いも
のができるようになった事は驚きです。また神戸のPEが唯一ケシの品揃えをしていま
した。この会社は香港でも常連ですが、IJTでは初めて見ました。現在品質の良い
ケシは市場からなくなってきており、このようなケシの良いものが見られるのは幸運
です。

反対にダイヤモンドや色石は殆ど見るべきものがなかったように思います。香港や
バンコクなどに行くと、ものすごい逸品ものが展示されていますが、残念ながら日本
では殆ど見る事ができませんでした。海外からの出展もみな小さなところばかりだっ
たような気がします。ダイヤモンドや色石は完全に市場が違うのではないか。このよ
うなところにも日本が国際競争力から取り残されているのを感じます。

海外のブースでは、やはりイタリアブースの製品が目に留まりました。全体にジュエ
リーのデザインは一歩先んじていると思います。しかしながらイタリアは日本の市場
に対してどのような認識を持っているのか。2、3のブーで聞いてみましたが、私の意
図を理解していないのか、はっきりした返事はもらえませんでした。

ドイツやフランスは小さくまとまっており、まだまだ日本の市場で競争するレベルで
はないようです。香港や韓国なども日本市場をそれほど重視しているとは思えず、そ
れは大手企業が出展していない事でも判ります。

デザイナーブースでは一人の作家と出会う事ができました。これからどのような付き
合いができるか、楽しみの一つです。しかしながら全体に低調で、人を唸らせるよう
な提案をしているデザイナーと出会う事はできませんでした。

今回のIJTは初日、二日は中国人の招待客でごった返していたと云っても過言ではな
いでしょう。その中には半分以上が一般の消費者が混じっており、ブースでは明らか
に小売で、値切りの交渉が声を大にして行われていた事も見逃せません。

数年前から日本の小売店の個客でしょうか、一般消費社の入場が目立ち、業界内では
物議を醸し出していますが、これは完全に既成事実になっています。私は時代の流れ
からして止むを得ないと思いますが、このようななし崩し的なやり方は如何なもので
しょうか。そろそろ宝飾品業界のはっきりした方針が出てくるべきではないかと思う
のです。

IJTは相変わらずバイヤーの姿は少なかったように思います。数年前からこのような
展示会には海外からのバイヤーが精力的に動き回っていなければ、真の国際競争力が
身に付いたとは云えず、その事は事ある毎に様々な場面で云ってきましたが、完全に
伸び悩みでしょう。苦肉の策が中国からの団体観光客では、本末転倒と云わざるを得
ません。

確かに現在の世界をリードしているのは中国とインドですが、こと宝飾品ビジネスに
なるとまだまだ弱小企業の日本が出る幕はありません。日本の大手企業がビジネスと
して本格的に乗り出していかなければ、将来性は無いと思います。中国やインドの
ダイナミズについていけないからです。

日本の宝飾品市場もどんどん縮小化傾向にあり、入場者は多いけれど素材や特価品
などの半端な買い物しできない、いまの宝飾品市場。将来が明るモノとなるのはいつ
の事でしょうか。それまで私たちは何を考えどうしていけば良いのでしょうか。この
答えは、今回のIJTでは見つける事はできませんでした。


by 増渕邦治(ますぶち くにはる)
http://weblog.gem-land.com/?p=204

ますぶちstyle ホームページ
http://www.buchi.jp/


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3. 宝石学Q&A - ジュエリーを多く扱っているおすすめの図書館∝∽∽∽∽∽∝∽

Q:mayubonne さん

都内、都内近郊に、宝石、金属工芸、ジュエリーを多く扱っているおすすめの図書館
をご存知でしたら、教えてください。


A:

ミキモト・ライブラリーという図書館があります。以前は東上野にありましたが、
現在は築地にあります。利用には前日までに予約が必要です。詳細は以下のページを
ご参照下さい。
http://www.mikimoto.com/cgi-bin/jp/store_locations.cgi?id=38

その他、情報をお持ちの方がいらっしゃいましたらお聞かせ下さい。
http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/otayori.html

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※敬称を省略しました。

宝石鉱物小事典は国立国会図書館データベース(Dnavi)に収録されています。

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