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宝石鑑別の道具

それぞれの絵をクリックすると解説がでます。
ピンセット
偏光器

たかがピンセットと侮る事なかれ。市販のピンセットの中には宝石を傷つけてしまうものもあります。

宝石鑑別をスピードアップするには便利な偏光器。宝石の光学特性を検査します。

ルーペ
屈折計

廉価で持ち運びにも適したルーペはジュエリーの専門家のみならず、一般の愛好家も必須のアイテムでしょう。このコンテンツでは、ルーペの正しい持ち方などもご案内します。

専門的に研磨宝石を鑑別するのに屈折計は欠かせないものでしょう。屈折計っていったい何?という方はこちらをご覧下さい。


ピンセット

ピンセットの選び方

ピンセットの先端部の細さ
ピンセットの滑り止めの溝
ピンセットの色
ピンセットの素材
ピンセットの種類
困りものピンセット


ピンセットの先端部の細さ

先が針のように鋭く尖っているものから、何ミリもある太いタイプまで様々です。特に特定の用途がなく、はじめてピンセットを求める場合には、先端部はある程度以上の幅(3mm程度)があった方が使いやすいでしょう。

ただしダイアモンドを顕微鏡で観察する用途で購入する場合には、先端は針のように細くなっていないと、側面から(プロフィールで)石を保持した場合、石がピンセットの影に隠れてしまうので3mmでは太すぎるでしょう。

ピンセットの滑り止めの溝

宝石用ピンセットの内側には、石が落ち難いよう、滑り止めに細かな碁盤状の溝が刻まれていたり、粗い紙ヤスリのような凹凸が施されています。あるいは、1本だけ縦(長さ方向)に溝がある製品もあります。どの様な滑り止めがあるピンセットにするかは好みですが、先端部が尖っている細身のタイプで、碁盤状の溝が刻まれている場合には、ピンセットの幅方向の中央に溝があるか確認することは重要です。あるメーカーのピンセットは碁盤の目の四角の部分が中央に位置しているため、ピンセットの中央で石を保持しにくく、使いにくいのです。溝が深すぎて使いにくい時には、金属のヤスリで内側を削って使います。

ピンセットの色

シルバーや黒があります。黒は映り込み(うつりこみ:宝石に反射したピンセットの像)が少ない利点はありますが、長年使う間に塗料が落ちますから、その点を覚悟する必要があります。またダイアモンドを扱う場合には塗料が石に付着しますから、シルバーの方が無難でしょう。

ピンセットの素材

ステンレスが一般的ですが、チタン製もあります。チタン製ピンセットは柔軟性が高い為、石を掴んだ感覚が指先から、より鋭敏に伝わるので好む人が多くいます。かなり軽いので、ステンレスに慣れた方は最初違和感があるかもしれません。

ピンセットの種類

普通にイメージするピンセット以外に、次のようなものがあります。

○真珠用

先端が皿状に丸くなっている。

○宝飾品用

メタルを傷つけぬよう、先端がゴムで覆われている。

○ロック式

裸石を掴んだ状態でピンセットの開き加減を固定できる。

○ルーペ一体型

ルーペとピンセットの距離を調整、固定出来るため、対象物に焦点をあてた状態で他者に見せるのに適する。

○先端がくの字に曲がったもの

時計の修理や宝飾品加工時に用いる場合がある。

○固定式

加工中の宝飾品を掴んだまま、台に固定できる。バーナーを用いる際に使用する。

困りものピンセット

メレーダイアモンド(0.2ct未満のダイアモンド)用と謳われ,滑り止めを目的に、先端部内側にダイアモンドの微粉を塗布したピンセットがあります。あらゆる鉱物の中で最も硬いのがダイアモンド。粉とてその性質は変わりません。これで宝石を保持すれば、無論つかんだ宝石に傷がつきます。

同様の目的で、コランダムの微粉を塗布したものもあります。

購入時の注意点など

店先などで、購入予定の裸石をルーペで観察すると仮定します。まずは石をピンセットでつまみ上げるでしょうが、その場合、キューレットと呼ばれる尖った部分と、テーブルと呼ぶ大きな面とで保持してはいけません。ディーラーの多くはキューレットの破損を恐れ、嫌がります。

ダイアモンドディーラーの多くも例外ではないのですが、これは、私が奇異に感じる事のひとつです。 もとから欠けかけているキューレット(テーブル越しに石を見れば分かります)の場合は知らず、ダイアモンドはピンセットなどで傷つかないのですから。もちろん人の嫌がる事をしても仕方がありませんし、非常に内包物の少ないダイアモンド以外、その様な角度で観察する必要もありませんからおとなしくガードルで持ちますが。

ダイアモンドグレーディングを始めたばかりの方の多くは、最初、映り込み(宝石へのピンセットの反射)を内包物と勘違いするものです。ご注意あれ。

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