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ジェムランド表参道店は、南青山の表参道にある宝石店です。全国の優れた作品を展示・販売した、ジュエリーの博物館のようなお店です。ご来店をお待ちしています。


紫金石や茶金石について

最近、趣味でアートクレイシルバー(銀粘土)でアクセサリーを作っています。そのアクセサリー作りで合成石を使っていて、ふと「合成石と天然石の違いは?どうやって見分ける?」と疑問を持ち、石についても勉強しようと思い、ネットで検索していたところ、ここにたどり着きました。合成石について、けっこう誤解していたのには驚きました。

さっそく質問させていたただきたいのですが、

    1. 紫金石や茶金石は宝石の類に入るのでしょうか?
       
    2. 紫金石や茶金石にも合成石があるようなのですが、天然石と合成石の見分け方はあるのでしょうか?
       
    3. アートクレイでは、天然石は焼成するとひび割れや変色するので一緒には焼けないと言われていますが、家庭用ガスコンロで5分の焼成でも駄目でしょうか?(天然かどうかはわかりませんが、ピアスに付いていた5mmの紫金石を使いたいのです。)
       
    4. なぜ、合成石は焼成に耐えられるのでしょうか?

紫金石や茶金石は、ある種のガラス(人の作った)を指す商品名あるいは流通名です

茶金石は古くから「ゴールドストーン ガラス」(写真)として流通している物で建築材やアクセサリーに用いられているものです。もともとはイタリアのガラス工房で溶融したガラス材料に銅の鍋を誤って落としてしまったところ、その出来が偶然の産物として良かったことから製品になったと伝えられています。ブラウンで不透明の地に銅と思われるインクルージョンが混入されており、この銅が光を反射してキラキラと反射する、 アベンチュレッセンスと呼ぶ特殊効果を呈します。

紫金石はゴールドストーン ガラスと違い、地色が青色系のものを指しているようです。


紫金石や茶金石は宝石の類?

宝石とは「美しいこと」「稀少性があること」「ある程度の耐久性があること」という3つの条件を備えた物を指しますから、いくらでも作ることのできる人工物は指しません。


紫金石や茶金石にも合成石があるようですが?

合成石とは宝飾業界では一般に、自然界に存在する宝石と、組成と構造が基本的に同じ人造物を指します。多く流通している合成石には合成スピネルや合成ルビーなどがあります。ガラスもモルダバイトやオブシディアンと呼ぶ天然ガラスが存在しますが、人の作ったガラスを特に合成ガラスと呼ぶ慣習はありません。

しかし気になったのでネットで検索してみましたところ、アベンチュリンブルークォーツ(紫金石)などとして販売されている物がありました。実見してはおりませんが、恐らくこれはブルーに染色したアベンチュリン クォーツではないかと想像しました。

その他に、『ブルーサンドストーン(紫金石)』や『ブルーゴールドストーン(紫金石)』などという記載がありましたが、いずれも先に述べたように銅と思われる金属光沢のインクルージョンを有するガラスだと思います。ブルーゴールドストーンという呼び名は、ブルーのゴールドストーン(ガラス)という意味かと思われます。サンドストーンという呼び方が何に由来するのかは不明ですが、想像するにブルー サン ストーンと言いたかったものが誤植、あるいは口伝される内に誤って伝えられた物かもしれません。これは、ゴールドストーン ガラスがサンストーン(ムーンストーンなどと同じ長石の仲間)という宝石のイミテーションとして利用されることがあるからです。


アートクレイでは、天然石は焼成するとひび割れや変色するので一緒には焼けないと言われていますが、家庭用ガスコンロで5分の焼成で も駄目でしょうか?

紫金石や茶金石はガラスですから、ガスコンロで有る程度の時間あぶったら変型するはずです。天然石一般が焼成に耐え得るか否かは、その天然石によって異なります。例えばブルー トパーズ(合成石は流通していませんが)は褪色してしまいますし、エメラルドは含浸材(ほとんどのエメラルドは含浸処理が施されている)が抜けてみすぼらしい姿に変わってしまうことでしょう。ルビーは多くの場合大丈夫でしょう。しかし、色目が多少変わってしまう、あるいはひび割れが出来てしまう(あるいは大きくなってしまう)可能性が無いわけではありません。サファイアは、空気中でそのままあぶった場合、褪色する可能性があります。


なぜ、合成石は焼成に耐えられるのか?

ある種の宝石が焼成に適さないのは、主として3つの理由によります。

ひとつは熱により褪色する可能性があるからです。先にブルー トパーズを例にしました。その他に一般的な宝石としてはアメシストも熱で褪色します。これらの宝石はその発色原因(少なくとも一部は)が、色中心と呼ぶ原子構造の不規則性にあります。熱によりこの不規則性が解消されると宝石自体の色が変化することになるのです。

ふたつ目の理由は、インクルージョンの影響です。熱が加わると普通の物体は体積が増大しますが、この増大する度合いは物質により異なります。熱により、インクルージョンが母結晶よりも大きい比率で体積が増大した場合、母結晶が損傷を受ける可能性があるのです。またトルマリンやベリルのように液体インクルージョンと呼ぶ、文字通り液体を内包する事が多い宝石もあります。液体が熱で沸騰し膨張した場合にも石にヒビが入る事があります。アクアマリン(ベリルの一種)もトルマリンも多くの場合熱処理が施されていますが、これは処理業者や鉱山主などが長年かけて石を損傷させない温度や時間を研究した結果無事に熱を加えている物であり、それらの研究を経ずに熱を加えれば危険が伴うと言うことができます。

最後の理由は、純銀粘土が焼成に伴って縮小する影響です。既に純銀粘土の焼成をご経験の方はご承知の通り、純銀粘土は通常の焼き物と同じように、焼成時に伴って体積が著しく減少します。つまり純銀粘度に埋め込んだ宝石には粘土の縮小に耐えるだけの耐久性が無ければなりません。合成石に通常割れはありませんが、天然石の中に大きな割れなどが有った場合には、その部分の耐久性が劣り、縮小の圧力に耐えることができずに割れてしまう可能性があるのです。


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