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■宝石学の世界□□★□□
□□□□□□□□□□□□………………………………………………Vol.257-20060411
ご購読ありがとうございます。
▼ INDEX ………………………………………………………………………………………
1. メレバンク・カフェ(4)- 品質によって異なるメレーの重さ
2. 日本ジュエリー協会、パライバ トルマリンの定義を決議
3. Reders Exchange - パライバ トルマリンという名称への異常なこだわり -
4. 10.04ctsのファンシー ヴィヴィッド ピンク ダイアモンド7億4千万円で落札
5. 10.15ctsのファンシー ピンク ダイアモンド1億9千万円で落札
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1. メレバンク・カフェ(4)- 品質によって異なるメレーの重さ ∽∽∝∽∝∽∝∽
昔のメレーのビジネスは今から思うと大雑把というか、もっと牧歌的だったなと思い
ます。注文も50パー(1/50ct)から100パー(1/100ct)の「そこそこの品質」を10ct
位とか、トッピンの10パー(1/10ct)を5ctとか、という感じでしたから。
それが段々細かくなり、50パー1ct、30パー2ct、20パー1ctという風になって、次に
は個数単位になり、今ではミリ単位の個数単位の注文が増えています。1.3mmを15個
1.5mmを20個、1.7mmを8個というように。
メレーの大きさはシーブ、又はシフトと呼ぶ道具で分別します。 円筒形のケースに
丸くて薄い金属に小さな穴が沢山開けられた板をセットして、メレーを入れて振って
どの板で落ちて、どの板で留まるかで見分けるのですが、この小さい穴の大きさは
0.5mm刻みになっています。(1枚の板にあけられた穴の大きさは同じです)
-8+7(8番で落ちて7番で留まる)、-6.5+5.5(6.5番で落ちて、5.5番で留まる)とい
う風に表します。因みに-8+7は1/30ct、-6.5+5.5は1/50ctとされています。また、
直径と重さの関係で言うと1.3mmが100パー、1.7mmが50パー、2mmが30パー
3mmが10パーというのが常識なのですが、これが怪しくなりつつあります。
もともと品質が下がるに従って平均石目は大きくなる傾向がありましたが、近年
メレーの品質の幅が広がりすぎたため、トップのメレーとボトムのメレーの重量差は
3割以上にもなっています。50パーを例に取りますと、トップのメレーは-6.5+6番で
も平均値は0.02ctを割る場合があります。直径で言うと1.75mmくらいが0.02ctちょ
うどです。一方、低い品質では-6+5番でも0.02ctを上回ります。1.6mmかそれ以下
が0.02ctちょうどです。
低い品質のメレーにフラットな石目の軽い石がないわけではないのですが....
後略。記事全文はこちら
by 佐野良彦
株式会社サノ・トレーディング
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2. 日本ジュエリー協会、パライバ トルマリンの定義を決議 ∽∽∽∽∝∽∝∽∝∽
社団法人日本ジュエリー協会は、先般パライバ トルマリンの定義を決議した。鑑別
機関には、「銅、マンガンを含有するブルー〜グリーンのエルバイトトルマリン」に
ついては下記の条件を分析レポートに記すことで、別名パライバトルマリンと呼ぶ事
を認めるというもの。実施は2006年5月1日より。
1.「当初産出された地名に因んで、“パライバトルマリン”と呼ばれています。
但し産地を特定するものではありません。」
2.銅及びマンガンの含有量とその測定機器名を明記すること。
日本ジュエリー協会発表のパライバトルマリンに関する消費者向資料はこちら
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3. Reders Exchange - パライバトルマリンという名称への異常なこだわり - ∽∽∽
読者からお寄せ頂いたご意見を紹介します。
From ゴンスケ さん
今、宝石の中で最も希少性・人気ともに高いといわれているパライバトルマリン。
この類まれな美しさを誇る宝石はここ数年の間にナイジェリアでも産出が認められて
おります。ナイジェリア産のものも中にはパライバ産の一級品に匹敵する品質のもの
もあるようですが、それでもパライバトルマリンという鑑別書がつかなければ価値が
落ちてしまうようです。
何で石の美しさや神秘性を無視して名称にこだわる消費者が多いのか私自身はとても
疑問に感じます。
この際、一層のことパライバ産であろうがナイジェリア産であろうがネオンブルーの
美しいものは「ネオンブルードルマリン」(発行者注:ネオンブルートルマリン、あ
あるいはネオンブルード(Neon blued)トルマリンの事と思われる)という名称に統
一したほうがいいのではと思います。
パライバなんてブラジルの僻地にある地名に過ぎませんので。しかし、それにしても
パライババターリャ鉱山産の目を射るような鮮烈な青いパライバトルマリンは本当に
市場で見かけなくなりましたね。今、出回っているのは薄い水色で内包物が目立ち、
その上パライバの特徴である蛍光がないものばかりですね。それも法外な価格で販売
されているのだからひどい話です。
ここまで−−−−
正に私が感じていることと同じご意見を頂きました。宝石の価値とは美しさにあり、
それを自身の目で判断することが消費者にも関係者にも求められていると思います。
関係者の場合には自身で美しさを判断するのみ成らず、更にそれを伝える役割をも
担う必要がある訳です。
しかし色目に関わる無く、パライバトルマリンという鑑別書がないという一事が価格
に影響を与えるという状況は、双方が己の審美眼に自身がないことを現しているので
しょう。品質を自分で判断できないのでブランドに頼るという、いわばブランド偏重
主義でしょうか。
先の記事「JJA、パライバ トルマリンの定義を決議」はつまり、色目を問わず銅
マンガンによって発色したブルー〜グリーン系のトルマリンをパライバと呼ぶ事を意
味します。パライバと呼ぶのはおこがましいような色の弱い石もパライバと名乗り、
それが正しいという風になりそうで、心配です。福本
皆さまはどうお考えですか?お便りはこちらから
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4. 10.04ctsのファンシー ヴィヴィッド ピンク ダイアモンド7億4千万円で落札∽
香港で開催されたサザビーズのオークション[Magnificent Jewels and Jadeite]
(開催日は4月9日)では、10.04キャラットのファンシー ヴィヴィッド ピンク
ダイアモンドを用いた指輪がおよそ7億4千万円(4828万香港ドル)で落札された。
1キャラット当たりの価格は約7300万円となる。クラリティはVS2。
当該ダイアモンドの写真へのリンク掲載ページはこちら、
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5. 10.15ctsのファンシー ピンク ダイアモンド1億9千万円で落札 ∽∽∽∽∝
前述のオークションでは、他に10.15キャラットのファンシーピンク ダイアモンドを
用いたリングがおよそ1億9千万円(1244万香港ドル)で落札された。
1キャラット当たりの価格は約1900万円となる。 クラリティはVVS1。
▼当該ダイアモンドの写真へのリンク掲載ページはこちら、
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※敬称を省略しました。
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