昔のメレーのビジネスは今から思うと大雑把というか、もっと牧歌的だったなと思います。注文も50パー(1/50ct)から100パー(1/100ct)の「そこそこの品質」を10ct位とか、トッピンの10パー(1/10ct)を5ctとか、という感じでしたから。
それが段々細かくなり、50パー1ct、30パー2ct、20パー1ctという風になって、次には個数単位になり、今ではミリ単位の個数単位の注文が増えています。 1.3mmを15個、1.5mmを20個、1.7mmを8個というように。
メレーの大きさはシーブ、又はシフトと呼ぶ道具で分別します。円筒形のケースに丸くて薄い金属に小さな穴が沢山開けられた板をセットして、メレーを入れて振って、どの板で落ちて、どの板で留まるかで見分けるのですが、この小さい穴の大きさは0.5mm刻みになっています。(1枚の板にあけられた穴の大きさは同じです)
-8+7(8番で落ちて7番で留まる)、-6.5+5.5(6.5番で落ちて、5.5番で留まる)という風に表します。因みに-8+7は1/30ct、-6.5+5.5は1/50ctとされています。また、直径と重さの関係で言うと1.3mmが100パー、1.7mmが50パー、2mmが30パー、3mmが10パーというのが常識なのですが、これが怪しくなりつつあります。
もともと品質が下がるに従って平均石目は大きくなる傾向がありましたが、近年メレーの品質の幅が広がりすぎたため、トップのメレーとボトムのメレーの重量差は3割以上にもなっています。50パーを例に取りますと、トップのメレーは-6.5+6番でも平均値は0.02ctを割る場合があります。直径で言うと1.75mmくらいが0.02ctちょうどです。一方、低い品質では-6+5番でも0.02ctを上回ります。1.6mmかそれ以下が0.02ctちょうどです。
低い品質のメレーにフラットな石目の軽い石がないわけではないのですが、なるべく石目を残したいことと、低品質ゆえに細かいところまできれいに磨かないことで、平均重量はどうしても大きくなります。
企画を立てる場合には使用するメレーの品質によってデザイン図のメレーの大きさも変えていかなければいけないということです。
株式会社サノ・トレーディング
佐野良彦
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