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[宝石学の世界]--Vol.395-20101005

▼ INDEX ………………………………………………………………………………………

1. たまプラーザで宝石学のセミナーを開催します
2. ジュエリー ニュース - 加州カドミウム含有ジュエリーに規制
3. ジュエリーの歴史6000年 [第5回]古代ギリシアとトラキア

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1. たまプラーザで宝石学のセミナーを開催します ∝∽∽∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∝

今月19日より新たに開校するカルチャースクール東急セミナーBEたまプラーザ校
にて宝石学の講座を担当することになりました。

開催日や演題は次の通りです。通しでの受講の他、1回だけの受講も可能です。

時間はいずれも12:30〜14:00。

10/19(火):真珠の選び方やお手入れ方法、また柔らかな美しさの源を学ぶ

11/16(火):加熱、染色、放射線照射等多くの宝石に行なわれている処理の知識

12/21(火):カラードストーンの価値決定要因

2011年
01/18(火):サファイアやタンザナイトをはじめとする青色宝石とその選び方

02/15(火):ルビーやガーネットをはじめとする赤色宝石とその選び方

03/15(火):品質評価基準である4Cを中心にダイアモンドの選び方を学ぶ

お近くの方はご参加いただければ幸いです。

尚、10月末までにお申込くださった方が1,000円分の商品券をもらえる紹介カード
が手元にあります。ご希望の方は郵送させて頂きますのでメールでお知らせ下さ
い。その際メールの題名には「東急セミナー」の文字を含めて下さい。この文字
列でフィルターを掛けて見落とさないように設定していますので。

メールは以下から、あるいはこのメールマガジンの送信元アドレス宛でも、どちら
でも結構です。メール便でお送りします。表札と配達先が異なると配達されないこ
とがありますので、ご住所は必要に応じて○×様方までご記入下さい。
http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/otayori.html

福本


▼ このセミナーの申込みページ
http://www.tokyu-be.jp/seminar/2010100004DQ05001.html


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2. ジュエリー ニュース - 加州カドミウム含有ジュエリーに規制 ∝∽∝∝∽∝∝

アーノルド・シュワルツェネッガー カリフォルニア州知事は、子供用アクセサリー
へのカドミウム使用に関する規制法案に署名した。

同法案は2012年1月より施行され、これによりカリフォルニア州で製造や販売される
子供用アクセサリーやジュエリーに含まれるカドミウムは重量比で0.03パーセント
以下に規制される。

子供用アクセサリーに含まれるカドミウムに関しては、その毒性が問題視されてい
た。

▼関連:中国製の安価なジュエリー・アクセサリーからカドミウム検出される
http://weblog.gem-land.com/?p=319


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2. ジュエリーの歴史6000年 [第5回]古代ギリシアとトラキア ∝∽∝∽∝∝∽∝∽

Understanding Jewellery
ジュエリーの歴史6000年[第5回]古代ギリシアとトラキア

古代ギリシアとトラキア

・古代ギリシア
ここでいう古代ギリシアとは暗黒時代を経てポリス国家群が成立したBC8世紀の
中葉からアレクサンドロス大王がオリエントを征服し、BC323年に没するまでの
約430年間を包括しています。BC12世紀末に、海の民の侵入によってミケーネ文明
が滅ぶと、BC8世紀の中葉までの約400年間ギリシアの文字による記録が途絶えて
しまい、この間のギリシアの歴史がよく判っていません。これをギリシアの暗黒
時代と呼びます。しかし陶器などには幾何学模様が描かれるなどしていることか
ら「幾何学文様時代」などと呼ばれることもあります。

その後8世紀の半ばになりギリシア各地にポリス[都市国家]が出現するに至って、
ギリシア文化が大きく華開くことになります。そしてBC8世紀末にはギリシア西南
部、クレタ島をエーゲ海の島々、アナトリア西海岸にまでポリス国家とギリシア
文化の影響は広がっていたと考えられます。さらにBC6世紀頃にはスペインのバレ
ンシア、アンダルシア、カタルーニャ、フランスのマルセイユやニース等にまで
拡大し、第二の本拠と云えるイタリア南部とシチリア島などに植民都市を建設し
ました。ヘロドトスが書いた「歴史」はBC5世紀のアケメネス朝ペルシアと古代
ギリシアの諸ポリスとの戦争[ペルシア戦争]を核としてペルシアの建国および
拡大、オリエント世界各地の歴史などを纏めたものです。

ポリスは大小様々でひとつひとつは領土も小さく、市民と呼ばれる自由民男子と
その家族は3-10万人、奴隷5-10万人の人口で構成されていました。ポリスは古代
マケドニアがBC338年にカイロネイアの戦いでアテネ・テーベ連合軍を破り、全
ギリシアを統一するまでそれぞれの自立を保っていました。

また古代ギリシアは2つの時代に分けられ、前半はBC750-BC480年頃をアルカ
イック時代[前古典時代]、BC480-BC323年頃をクラシック時代[古典時代]といい
ます。研究者によってはBC323-BC30年までのヘレニズム時代を包括するようです
が、ここではヘレニズム時代は別のくくりとして述べます。

BC750年-BC30年頃のヨーロッパは、古代ギリシアを中心に各地で多様な文化が生
まれ、また国家間の争いで目まぐるしく領土が変化します。それだけに歴史とい
う視点で見ると実に面白く、興味深いものがあります。

古代ギリシアのジュエリーは圧倒的に金や銀製のものです。技法的にもイタリア
中西部のエトルリアが得意とした粒金(グラニュレーションは古代ギリシア人の
手によって作られたもので、金の表面に微細な金の粒を大量に連続してつける技
術)やフィリグリー(細い金の線を金のベース部分に張り付け装飾を施したもの
で、これを応用して19世紀初頭の英国でオープンワークの技法で作られ、カン
ティーユと呼ばれた)などの技法で盛んにジュエリーが作られています。ギリシ
アの金の山地として特定できるのはパンガイオン金山やテッサロニキ、タソス島
などです。

黒海沿岸やトラキア(現在のブルガリア)、ドナウ川の南の山岳地帯には古くか
ら金が産出され、これと古代ギリシアのジュエリー技術が融合して、金による
ジュエリーは高度な発達を遂げます。またギリシア独特の意匠(デザイン)も
顕著で、小アジアのアナトリアやスキタイなどにも影響を与えました。

古代ギリシア人の造型感覚は完璧で、特に人体に対する表現は、その後の
ヨーロッパの総ての基本になり、古典主義やルネサンスなどはじめとする美術
様式は、時代の変革期になると常に「ギリシアに帰れ」と云われ美術の模範と
されてきました。
しかし民主主義国家群としてのポリスはBC5世紀前半から大帝国ペルシアとの
再三に亘る戦争やBC431-BC404のペロポネス戦争(アテナイを中心とするデロス
同盟とスパルタを中心とするペロポネソス同盟との間に発生した、全古代ギリ
シア世界を巻き込んだ戦争)、レウクトラの戦い(BC371年にエパメイノンダス
に率いられたテーバイを中心とするボイオティア軍が、当時ギリシア最強を謳
われたスパルタを中核とするペロポネソスの同盟軍勢を破って、テーバイが古代
ギリシアの覇権を握る契機となった)などを経てポリス国家群は衰退していきま
す。


・トラキア
古代ギリシアの影響を受けながら、独特の金製品(ジュエリー)を作り出した
国がトラキアです。黒海の西、ドナウ川の南、現在のブルガリアを中心とした
一体は、近年黄金製品が多数発掘されています。

この地域で金を使い出した歴史は古く、黒海沿岸のヴァルナと云う墳墓から総
計2000点、総重量6kgにものぼる金製品が出土し「世界最古の黄金文明」と云
われています。このヴァルナ遺跡はBC5000年の頃と思われ、石器時代にはすで
に金製品が造られた... 後略

▼記事全文や関連写真
http://weblog.gem-land.com/?p=375

by 増渕邦治(ますぶち くにはる)
http://weblog.gem-land.com/?p=204

ますぶちstyle ホームページ
http://www.buchi.jp/

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※敬称を省略しました。

宝石鉱物小事典は国立国会図書館データベース(Dnavi)に収録されています。

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