写真はアマゾナイト フェルドスパー
宝石鑑別にも役立つ劈開性;
劈開性は宝石鑑別に役立つ場合もあります。劈開性を有する宝石が欠けていた場合、その割れ口はガラス瓶の様に貝殻状に割れるのではなく、階段状に割れることが一般的(写真下参照)です。したがって、原石の場合、あるいは研磨石であっても欠けている部分がある場合には、断口(割れ口)が貝殻状なのか、あるいは階段状なのかを観察することで、その宝石や鉱物を鑑別する際の情報として役立てることが出来ます。
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原子間の結合力が小さいことから生じる、結晶の特定方向に沿った割れを劈開と呼び、その性質を劈開性と言います。
◎衝撃に注意
- 劈開性を有する宝石は強い衝撃で割れる可能性があるため、取り扱いに注意が必要です。といっても、それほど神経質になることはありません。例えばダイアモンドも劈開性を有しますが、リングに留められたダイアモンドは、日常身につけている範囲で生じる衝撃程度で割れることはまず考えられません(元から大きなヒビが入っているなどの状態で有れば別ですが。
◎超音波洗浄に注意
- ダイアモンドは別格ですが、劈開性を有する宝石には超音波洗浄は避けた方が無難です。またダイヤモンドであっても、フラクチャー充填処理が施された石は、超音波洗浄によって充填材にヒビなどが入り、外観を損なう可能性があります。
◎劈開性を有する宝石の一例
- アパタイト
- アマゾナイト
- エピドート
- カイアナイト(藍晶石:らんしょうせき)
- カルサイト
- クンツァイト
- コーネルピン
- スカポライト
- スファラライト
- トパーズ
- ダイアモンド
- ダイオプテーズ
- タンザナイト
- フェナカイト
- フローライト(蛍石)
- ムーンストーン
- ラブラドライト
- ロードクロサイト
- ロードナイト(透明結晶のみ注意)
- ユークレース
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