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■宝石学の世界□□★□□
□□□□□□□□□□□□………………………………………………Vol.312-20071030
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1. 新しいダイアモンド カット グレーディングの知識 −ディギングアウトとは?
GIAの新しいカット グレーディング システムが導入されてから2年近くが経過した。
日本の宝飾店で販売される、ある程度以上の大きさのダイアモンドにはほぼ例外なくダイアモンド グレーディング レポートが添付されているが、そのレポートを構成する柱のひとつ、カットの評価方法が変わるというのだから、大きな変化だった。
新しいカット グレーディング システムでは、ふたつの変化があった。ひとつは目に見える変化。他方は目に見えない変化である。
目に見える変化としては、GIAがはじめてカット グレードをレポートに盛り込んだことを挙げることが出来る。日本では従来から、GIAと密接な関係にあるAGTジェムラボラトリーを除き、エクセレント(Excellent)やベリー グッド(Very Good)、グッド(Good)等カット グレードをレポートに記載していたが、GIAではエクセレントやベリー グッド等というカットの優劣を示すカットグレードを出していなかった。
この理由としては、旧来の主としてダイヤモンドのプロポーションに基づいてカットを分析する方法では、ダイアモンドの美しさを正当に判断することができないからと説明されていた。つまり、旧来システムではベリー グッドとなってしまう石の中にもエクセレントに匹敵する美しさのダイアモンドが存在するという事実があったが、その理由を科学的に検証する手段を欠いていたのだ。そして、この科学的検証手段を確立したとしてデビューしたのが新しいカット グレーディング システムだった。
目に見えない変化とは、新しいカット グレーディング システムによるカット グレード決定の要因である。無論目に見えないというのは比喩的表現で、その原理は全て公開されているが、カット グレードのように表に現れないという意味で用いた。
パビリオン(※)の深さやクラウンの角度、テーブルの大きさ等のいくつかの単純な数値を中心に決定された旧来のシステムと比較し、新しいシステムはカットグレードを導き出すための専用ソフトウェアまで登場したほどに複雑であり、簡単には理解出来ない面がある。
しかし、宝飾のプロフェッショナルであるならば、難しくてよく分からないままでいては、顧客の信頼を得ることはできない。グレーディング レポートに“エクセレント”とあるから、「このダイアモンドはカットが素晴らしいお品です」の延長では専門知識をアピールすることはできない。技術的な説明は販売の現場に於いて必ずしも必要ではないだろうが、それでも、知識に裏付けされた堂々として接客態度は顧客の信頼を勝ち取るものであるから、新しい知識に対する勉強は欠かせないのではないかと考える。
新しいカット グレーディング システムを理解するための助けとなるのは、新たに登場した用語の意味を知ることだろう。 新しい用語は、新たに導入されたカット グレードの判断要因となる新しい考えであるからだ。新しいカット グレーディングシステムについては、今でも宝飾店関係者からの質問が多いトピックスなので、今後折に触れて解説を続けたい。今号では“ディギング アウト”について記す。
ディギング アウトとは、ガードルの一部を厚くして重量歩留まりを向上させる手法である。ベゼル ファセットとパビリオン メイン ファセットが向き合う部分を厚くする。厚くなった結果、フェース・アップで見たダイアモンドの大きさには変化が生じないにも関わらず、重量だけが増える(重量で取引されるダイアモンドであるから、重量の増加は支払う金額が高くなる事を意味する)。
またディギング アウトがガードル全体に均一に施されていればともかく、不均一なディギング アウトは石のシンメトリーを崩し、それは光の反射パターンを乱すこととなる。
更に、厚くなったガードルは、その部分に隣接するファセットの角度が変化することを示すが、程度が大きければ石の裏側から抜けて逃げてしまう光が増大し、石の輝きが減じることとなる(ダイアモンドがより強く輝くためには、石の裏側から逃げる光を少しでも減らし、石で反射をした光が観察者の眼に飛び込む必要がある)。
ディギング アウトはクラウン側だけに施される場合もあれば、パビリオン側にだけあるいは両方に施される可能性がある。
クラウン側にのみ施されたディギング アウトが激しければ、アッパー ガードル ファセットが暗くなることが知られている。
パビリオン側にのみ施されたディギング アウトが激しければ、石全体が灰色がかって見えるようになる。
両側に施されたディギング アウトが激しければ、石が暗く見えるのみならず、目障りな光った線が出現するようになる。
従来のグレーディング システムでは拾えなかったこの種の特徴を評価出来るようになったという一点のみを見ても、新しいシステムの有効性が分かる。また今までプロポーションが良いにも関わらず輝きが弱いというダイアモンドを見てもその理由を知るに至らなかったが、その不明を明らかにしてくれたという面でも、新しいシステムに対する理解を深めることは知的好奇心を満足させてくれる。
上記の説明で分かりにくい場合には、宝石鉱物小事典のウェブサイトにディギングアウトのイラストを掲載したのでご参照頂きたい。
※:ダイアモンドの各部名称
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※敬称を省略しました。
宝石鉱物小事典は国立国会図書館データベース(Dnavi)に収録されています。
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