ダイヤモンドにはさまざまな色があります。GIAのカラーグレードではホワイトからイエロー(DカラーからZカラー)が基本の色ですが、これ以外にもピンク、ブルー、オレンジ、グリーン、バイオレット、パープル、ブラウン、ブラック等の色が存在して、色の濃いものはファンシーカラーに分類されます。当然メレーにも同じようにさまざまな色が存在します。
ファンシーカラーで最も知られているのがピンクです。このところのピンクダイヤの値上りは激しく、世界的な需要の増加と最大の生産地アーガイル鉱山を持つリオティントが資源の枯渇を理由に大幅な値上げを実行し始めたこともあってここ2,3年で約2倍になりました。リオティントはさらに値上げを進めると言明していますから更にピンクが高くなるのは必至の状況です。ピンクメレーも上がり続け、1ct当り卸値で100万円を超えるものも出てきています。
ファンシーカラーとしての市場価格でいうとブルーはピンクよりも高いのですが、生産量がピンクよりも更に少ないために天然のブルーメレーにはあまりお目にかかりません。代わってトリーテッドブルーのメレーをよく見かけます。これは放射線処理を施してブルーに染めたメレーです。処理して色を改変したメレーとしてはブルーの他にグリーン、オレンジ、イエロー、パープル等があります。天然のファンシーカラーとして市場価値の低いブラウンのダイヤを処理して製造するのが一般的ですが、淡いブルー(アイスブルーと呼ばれています )はホワイトのメレーを処理してつくります。
処理されたメレーは材料のメレーに処理の手間賃を加えた価格で流通していますから天然のファンシーカラーのように高いものではありません。当然需要の大きいピンクの処理も試みられています。しかし、常にきれいなピンク色に染める技術が確立されていないようで、トリーテッドピンクはブルーと違って、市場に多く出回る状態にはなっていません。
資源としてのダイヤモンドが枯渇化に向かいつつある現在、ダイヤを人工的に好ましい色に改変することは認めざるを得ないと思いますが、きちんと情報開示がなされるべきだと考えます。「ブルーダイヤは安いものなのでしょ?」と消費者から問われて驚いた経験があります。単なる「ブルーダイヤ」という表示での販売は慎むべきであると思います。
株式会社サノ・トレーディング
佐野良彦
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